田舎女医の小言

外科医やってます。人生で溜まったネタを放出していきます。

医師不足の都道府県はどこだ〜人口10万人あたりの医師数

「田舎」とブログ名に入れてるので

田舎での医師ライフついて、ちょっと書こうかと。

そこで避けては通れない話、医師不足。

 

まずは医師不足の実態って、どうだったかと確認してみました。  

 

人口10万人あたりの医師数

 厚生労働省のページにいって確認してみました。

平成28年(2016年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況|厚生労働省

ベスト3

1位 徳島県 315.9

2位 京都府 314.9

3位 高知県 306.0

 

全体的に西日本の方が、医師がたくさんいるようでした。


少ない方3県

47位 埼玉県 160.1

46位 茨城県 180.4

45位 千葉県 189.9  

 

だけれども、医師数だけで語れない側面もあります。

 

たとえば北海道。

医師数は全国平均に達しているようです。

しかし、札幌市などの都市圏に集中しており、

その他はものすごく足りない、医師がいない地域もあります。

 

なかなか数字だけで、ぶった切れるものではない。

難しい。 

 

他の県でも

「県庁所在地」だけが、重い病気・救急に耐える能力をもっていて

その他の地域が大変、という話を聞いたことがあります。

で、県庁所在地の医師たちも、県土全部カバーするから、超働いてるとかも。


他にも

埼玉県は47位ですが、東京都の隣なので、病院へのアクセスはそう悪くないはず。

……たぶん。

 

46位の茨城県が気になったので、「茨城県 医師不足」で検索しました。

以下のPDFがでてきました。

 >茨城県医師不足緊急対策行動宣言

 

平成14年以降、連続46位なので緊急対策をまとめたもののようです。   

医学部生にゼロ金利ローン、病児保育の充実、UIJターンの推進などを掲げてました。

確かに、茨城県出身の同期たち「茨城で就職してくれ〜」という手紙がくるっていってました。

ゼロ金利ローン…?

すでに、全国に返済不要のそういうのありますが……うーん、ローンじゃなくて修学資金の方が、他県に対抗できそうだけど…。

 

医学部生向けの修学資金

あと、わりと全国どこにでも、医学部修学資金というのがあります。

その都道府県で、医師として規定年数働いてくれることを条件に、

学費や生活費補助するよ、という仕組み。

医学部修学資金貸与|へき地ネット 地域医療振興協会

 

生活費月10万とか、年100万とか、

入学金+生活費10万、入学金+授業料+生活費とか、

いろんなバリエーションあります。

 

 

卒後9〜10年その県で働けば

完全に県からの支援だけで、大学生活が送れそうなものも、ありましたね。

例えば青森県とか目立つサイト作ってました。→医ノ森 aomori 

これ見る限りだと、研修医数はこの10年で、かなり増えてました。

 

あ、奨学金(…借金)とは、ちょっと違います。

その分、卒後「その地域でご奉公」すれば、返済不要なものです。

(それを裏切って出て行くと、金利がすごい借金に化けます)

 

 

ついでに言うと、世界と比べて日本は医師が少ない

OECD加盟国の、人口1000人あたりの医師数。

日本、ビリから4番目。

 

……世界でも最高水準の医療を、かなり少ない人数でまわしてますよ……。

妊娠、出産に関わる死(母も子もどっちも)だって、日本は世界で一番少ないし。

 

この厚生労働省の資料が、今日抜粋したことが主にまとまっています。

興味がある方はどうぞ。

医師の需給に関する基礎資料

 

資料を眺めつつ呟き。

女性医師って、本当に増えてきたなー。でも世界と比べると少ないのかー。

今の医学部生は3分の1が女の子かー。東京に女医さん多いなー。

外科女少なっ。でも一番少ないのはやっぱり整形か。