田舎女医の小言

外科医やってます。人生で溜まったネタを放出していきます。

妊娠出産、産後舐めてました…

産後二か月間、長い文章を書く余裕など、ほぼ存在せずブログを更新しませんでした。

それでも気合で出産レポは書きましたが、それ以降は完全に脳みそのメモリが足りませんでした。

Twitterでつぶやくのが手いっぱいでした。

 

「出産後なんだから当然でしょう」

と言われれば、それまでなんですが、具体的にそれがどういうことか、わかっていませんでした。

 

「そんなの知らなかったわー!」

ということをただ書き連ねます。

 

妊娠期間

8~9カ月の体調不良

(妊娠期間は正確には十月十日ではありません→

参考記事:妊娠期間は10カ月じゃない!数え方にまつわるモヤモヤ

つわりのせいで、異様な吐き気に襲われたり、食欲がおかしくなったり、眠くなったり。つわりは個人差が大きい上に、見た目はまだ妊婦とわからないので、周囲の理解は得られないこともある。

妊娠後半には、40~50㎝の大きさのモノをお腹の中に抱えて、内臓は圧迫されまくる。胃が膨らまず食べられない、膀胱が圧迫されて頻尿、腸が圧迫されて便秘。

お腹の中の大きな血管が圧迫されて、寝ているのに「立ちくらみ」のようになる。

 

その最後には出産という命がけの大イベントが待ち構えている。

 

出産

出産には大量出血など色んな危険がつきまとうが、それがなかったとしても、

何時間~24時間(長い人は3日間とかも!)痛みに耐えて、体力を使い果たす。

自然分娩でも、会陰切開という出口を広げるために「切開」をいれられる人が多く、

帝王切開では、お腹が切られている。

産後はとにかくとにかく痛い。

 

腹や骨盤の筋肉はペラペラに伸ばされ、「トイレで用を足す」ことですら異様な重労働と化す。

(私の出産の様子はこちら→出産レポート

 

そして、こんなボロボロの状態で、子育てが始まる。

 

授乳

授乳って、最初からうまく出来るわけじゃないんです。

母親側、子供側、ともに訓練が必要。

 

子供側

これまで臍の緒から24時間体制で自動供給だった栄養を、突然、自分でとらなきゃいけなくなるのだから大変。口で吸うなんてしたことないのだから、最初からうまく出来るわけがない。乳首の形もうまく認識できない。

拒否したり、すぐ疲れて寝ることも多い。乳首をかんだり、強く吸いすぎたりして、傷だらけにすることも…。

 

母親側

最初から母乳がたくさん出る訳ではない。

むしろ、最初は滲むぐらいしか出ないことが多い。

その後も頑張って授乳続けたって、出る量が増えるかどうかは、人それぞれ。

 

また、形によって、子供にとって吸いやすさが違う。扁平、陥没の乳首は母乳を直接赤子に与えるのはかなり難しい。

子供の吸い方によっては、乳首に、血豆や擦り傷、割れることがあり、物凄い痛みが出ることがある。血を飲ませてしまうことになったりも…。

 

私は結構、赤子に傷をつけられたので、

傷を回復させるために、人工ミルク使ってました。

 

しかし、母乳が作られているのに、十分に吸われていない・出せていないと、乳腺炎が起こる。熱が出て、胸が石みたいに硬くなって、これまた激痛だそうだ。

(私は幸い乳腺炎にはなりませんでした。きっちり吸ってもらって、搾乳していたら大丈夫でした。食事制限は全くしていません。産婦人科・小児科の先生曰く、過度な食事制限は必要ないとのことでした)

 

人工ミルク使うの、全然かまわないだろ…。

頑張りすぎて母親が倒れたら意味ないだろ…と思うのでした。

 

3時間ごとの授乳

これだけでもきついですが、残りの2時間自由~ってわけじゃなくて、

吐いたり、うんちしたり、泣きわめかれたり、色々あって気が付いたら次の授乳時間ということもあります。

これは赤子による個人差が大きい。

 

時期によっては1時間ごとにおっぱいを欲しがることもある。

 

それでも赤子は可愛い

 

何はともあれ、赤子は可愛いです。

というか、可愛くないと無理。

 

家族に助けられて、きつい時期を乗り越え、授乳も軌道にのり

大分育児そのものには慣れてきました。

 

赤子が、アップデートされて動き始めたら、また育児の難易度があがるんだろうなあ、と戦々恐々としています。

 

何度も言いますが、それでも赤子は可愛い。

しかし、身体の痛みと睡眠不足にむしばまれ、母体が簡単に産後うつになってしまうのもよくわかりました。周囲のケアが大事です。

赤子はみんなで育てるもんですね…。

 

……赤子は可愛いです。