田舎女医の小言

外科医やってます。人生で溜まったネタを放出していきます。

チャイルドシートで子供の死を防ぐ①

先日、ツイッターでチャイルドシートのことを呟きました。

 

 

 

万単位で、イイねやリツイートしていただいたのは、初めてでした。

びびりました。

 

で、調べたこと、リプライ欄を含め、

かなりの情報量となりましたのでまとめます。

 

同期からの忠告ブログ版

久しぶりに、大学同期にばったり会いました。

軽い挨拶の後、妊娠報告をしました。

 

同期「おめでとう!……チャイルドシート買った?」

私「うん、もちろん」

同期「知ってると思うけどさ、車の走行中はチャイルドシートに絶対座らせて。いくら泣いても抱いちゃダメだからね」

 

真剣な顔、というよりも暗い顔をして話すので、何かあったのかと聞くと

 

「うん。あった。救急外来で。

 親が赤ちゃんを抱っこしているときに起きた

 交通事故の患者が運ばれてきたんだけどさ…

 子供だけが衝撃を受けてて、あれは多分ほぼ即死だった。

 でも親はほぼ無傷でさ……

 半狂乱だった。きつかった

 

悲劇でしかなかった、と。

 

ぞっとしました。

 

「チャイルドシートで防げた悲劇」がゼロになってほしい

そんな一心で、冒頭のツイートをしました。

 

車内で抱っこはただの危険行為

「ちゃんと抱っこしているから大丈夫よ」

「抱っこ紐してるから大丈夫よ」

 

結構こういう考えの人もいるようです……。

 

絶対ダメです。無理です。アウトです。

 

時速20km程度でも、急ブレーキをかけただけで、大人は赤子を落とします。

車内にぶつかりまくります。

 

それが、普通の時速で走っているとどうなるか。

赤子は吹っ飛びます。フロントガラスを突き破ります。

 

子供を離さなかったとしても

大人の体と、車内との間に挟まれ、緩衝材になってしまいます。

(私の同期があったのは、このタイプの事故だった…)

大人が無傷で済むために、子供が使われてしまうんです。

 

車内で「抱っこ」は危険です。

幼児以上を遊ばせておくのも危ないです。

 

優先順位1位は子供の命のはず

「ちょっとの距離だから……」

「安全運転するから……」

 

そんな面倒くささ、油断があるようです。

走行距離、運転技術に関係なく事故は起こります。

他の車がつっこんで来ることだってあります。

 

チャイルドシートを使わなくていい理由にはなりません。

 

「嫌がってぐずる」

「泣いたままにしておくのが辛い」

子供が泣いているのは、辛いです。あやしたくなります。

可哀想、と思うかもしれません。

 

でも

その場での心地よさ、

子供の機嫌を優先した結果、

失うのは子供の命です。

この優先順位だけは、間違わないようにしたいです。

 

チャイルドシートを外せば危険だとわかっているのに

子供のギャン泣きに耐えられないのは

大人のワガママでしかないという意見もありました。 

 

 同乗者にはしつこく伝える

チャイルドシートに関して、認識の甘い親族に苦労されている方も多いようです。

夫だったり、妻だったり……

結構多いのが、チャイルドシート義務化前の祖父母世代。

 

口うるさく言うと

「しばりつけて可哀想」

「あんた達にもつけてなかったけど、生きてるじゃない」

という類の反応が返ってくるようです。

 

 

生きてるのは、たまたま運が良かっただっただけです。

 

チャイルドシートさえあれば、事故という不運が起きても、

命が助かる可能性が格段に上がります。

 

リプ欄には、

「軽い事故にあったけど、チャイルドシートの性能が高くて助かった。慌てて様子を見たけど、中で変わらずスヤスヤ寝ていた」

という事例もよせられていました。

 

なので、もう説得しかないです。

 

説得には

「面倒臭いのはわかるけど」

「安全運転してくれるのはわかるけど」

「泣いてるのは辛いけど」

と一旦、同意・共感を示してから

 

淡々と

事故の事例を伝える 

クラッシュテストの動画を見せる【JAFユーザーテスト】 - YouTube

法律違反だと伝える(道路交通法第71条の3第3項)

 

などが有効でしょうか。

 

…どうしても理解してくださらない人とは

一緒に車に乗るのを避けるしかないかもしれません。

自分が運転中に、同乗者に勝手に外されたらたまったもんじゃありません。

 

長くなりました。

次回、チャイルドシートの付け方、工夫、子育てタクシーなどについて書きます。

 

 

冒頭ツイートのリプライ欄に役立つ生身の情報が、たくさん寄せられています。

事故、怪我、工夫、苦労話などなど。

チャイルドシート関連でお困りの方は

クリックして覗いてくださるとヒントが得られるかもしれません。

 

お題「どうしても言いたい!」