田舎女医の小言

外科医やってます。人生で溜まったネタを放出していきます。

不機嫌さの弊害~ゴールデンウィークの思い出

働いてからは

大型連休=苦手

という図式が出来上がっています。

 

最低限の人数で、病院は営業しています。

先日の記事で書きました。

ゴールデンウィークの病院事情

 

今回の記事は

超若手医師だった頃の思い出(愚痴?)と決意の話です。

 

ええと、今の私は若手の末期ですね。おそらく。

2020年頃に、中堅に格上げです。おそらく。

 (医師の若手、中堅の感覚ってよくわからん。外科医って、若手期間長い…?)

 

田舎のゴールデンウィーク

一時的に、田舎にいる人間の数が増えます。

観光客、帰省客。

風邪や怪我をしやすいお子様も、いつもより増えます。

 

また、地元民たちも活動的に。

お盆や正月ほどではないですが、久しぶりにお酒を飲む人。

スポーツアクティビティに精を出す方が沢山。

いつもより体調不良や怪我人も増えます。

 

お休みする病院多数

病院は、最低限の機能だけを残して、お休みします。やってるのは、大きめの病院の、救急外来くらいです。

他の病院……ストレートに言うと、皆さんの「かかりつけ医」である開業医さんが営業していないのです。

大きい病院でも、専門科によっては不在だったり。手薄だったり。

 

これが結構、辛い。

 

平日の夜に

「いつもはXX病院にかかってて…今日は具合が悪くなって」

という人が救急外来にくるとします。

 

でも、その夜に命に関わるような疾患じゃないとわかれば、

救急外来の役目としては合格です。

 

 「呼吸、心拍、意識レベル問題ない

  今すぐ何か起きそうな症状はない

  この検査でも問題ないな。

  うん、急に命を奪う病気、後遺症が残る病気はない」

 

となれば

「明日かかりつけ医の先生に相談してくださいね」

「明日専門の先生(耳鼻科や整形外科などなど)の先生に診てもらいましょう」

ということになる。

 

翌朝までの数~10時間程度、大丈夫なら

命をつなげるのが平日の当直(夜間警備隊)

 

これがゴールデンウィークだとそうはいかない

「明日、受診してくださいね」が、できない

それなりに長い間(今年は5ー9日間??)のマネジメントを考えて対応しなきゃいけない。

 

いつもより

量も増えて

質も難易度が上がるのが

ゴールデンウィークの救急外来であります。

 

……待ち時間長くてごめんなさい。

これでも頑張っているんだよ。

 

 

重症患者…専門医に相談だ(泣

重症患者さんが現れると

その専門の先生に電話して、来て頂くことになる。

 

これがまたつらい。特に超若手医師にとっては

短く、的確に、相手のツボ(専門の先生に響く言葉)を使って

「お、そうか。じゃあ、すぐ行くよ」と

スムーズに済むこともあります。

 

逆に

うまく状況報告できない時、あいまいな時などは

先生の性格によって、露骨に嫌な態度を示す先生もいます。

若手医師に電話をかけられると、特にキツイ態度になる人も。

「え?本当にうちの科なの?違うんじゃないの?**あったの?(その科特有のワード系)」と責められることもある。

 

食い下がってなんとか来てもらっても

結局、軽症で怒られたり、嫌味を言われたり。

例:「俺を呼ぶまでもないじゃないか」「こんなのもわからないの?」

 

凹みます。

が、おかまいなしに

患者さんはガンガンくるので、奮い立たせてまた戦いに出ます。

 

 

本当に「重症」なのに、

専門の先生を呼ばなかったら、患者さんに不利益です。

「重症が勘違い」で「軽症」だったら、自分が怒られるだけで済みます。

患者さんには被害なしです。

 

なので、確実に大丈夫、と思える場合以外は、相談するようにしてました。

これは、あくまで私のスタイルですけども。

嫌味を言われながら戦っていました…。

 

でも、この相談のし辛さは医療のパフォーマンスを、じわりと下げます。

不機嫌な医師へは、誰しも、連絡頻度が下がりますから。

私は、若手とはいえ医師だったのでまだマシで、

看護師さんは、もっとキツイ態度をとられていて、報告のハードルあがりまくっているようでした。

 

この本ポケットに入れて戦ってました。

 不機嫌さは人を殺す

医者が

不機嫌な態度をとると

他の医師(若手や他科の医師)や看護師が、報告・相談しにくくなって

医療の質を損なう可能性がある……のです。

 

 

まあ、確かに。

とんでもなく失礼な電話をしてくる若手医師がいるのは

事実なんですけども。

 

とりあえず

自分は腹外科的疾患で呼ばれたら、すっとんでいくことにしてます。

「自分の不機嫌さで医療の質を損なわないように」したいので。

 

立場がつくほどに、人員が不足するほどに、家族がいるほどに

それが難しいのも実感してます。

 

どの職業だって、自分がちゃんとメンテナンスされてないと

質の高いパフォーマンスは出せませんよね。

……本当に。ここがなあ、今の日本の阿鼻叫喚なところな気がする。

 

でも、やっぱり、できる先生は

どんな状況になっても、淡々と穏やか、動じない。

すごい。いくら尊敬しても足りない。

 

「あの先生、すげー嫌そうな態度だから、相談したくないんだよなー」

と、かつての自分が思ったことを、まき散らさないように。

 

仕事上では 

冷静で穏やかな

淡々と医療を提供する外科医になりたいものです。 

 

そんな愚痴と決意の話でした。

 

 皆様のご健康をお祈りします

私の今年のゴールデンウィークは、日直2回、外来手伝い1回で構成されています。

去年の4泊・日当直に比べると雲泥の差でありますだ。

 

なにはともあれ

無病息災で皆様が過ごせますように。

大型連休中に、病院にかかることなどありませんように。

 

あ。一つぐらい役に立つ情報を。

お子様が具合悪くなって、不安なときは以下のサイトなど参考にすると良いですよ。

kodomo-qq.jp

 

ではでは。

 

 今週のお題「ゴールデンウィーク2018」