医局って何さ①権力組織？教育機関？
医局って何？
医師の控室
医局って、わりと不思議な言葉であります。
病院内で、医者が、デスクワークをしている場所、控え室を医局と言います。
「今どこ？」
「医局にいます」
という風に使います。
大学病院の診療科
で、もう一つの有名な使い方。
医局＝大学病院の診療科ごとの集まり。
→権力組織（？）
〇〇大学循環器内科学講座
XX大学消化器外科学講座
などが医局ってことになります。
医局に所属している医師は、医局員って呼びます。
今は、医局→教室、医局員→教室員とも。
一応Dr.Xつっこみ
大門さんが
大学病院に属さない！つまりフリーランス！権力に屈しないぜ！
っていうキャラ設定でしたね。
なんだか微妙な気持ちになったもので。
ファンタジーすぎるDr.Xシリーズ
医局の歴史は長いです。
田舎のぺーぺー女医が知ってる範囲の現状です。
事実上、人事権がある
大学病院の医局は
それ以外の病院に、医局員を派遣していることが多いです。
大抵は公立の総合病院。
OBがいる私立病院や個人病院ということもある。
派遣・バイト・赴任
形式は
外来・手術手伝い、当直・日直という短期のものから
半年～２－３年間その病院に勤務という長期まで色々。
特に、年単位では、病院に就職してるって思われがちです。
いや、そうなんですけども。就職はしてる。
もちろんその病院と、雇用契約は結ぶ。
でも……大学医局の決定により決まった人事です。
支社があっちこちにある企業と同じですね。
うちの場合は、自分の県と、隣の都道府県の端っこに人を出してます。
もっと広い範囲をカバーしている医局もあるようです。
関東全域＋南東北あたりとか。
そんなわけで、大学医局に所属していると
半年～数年おきに、一定の地域内で転勤があることが多い（例外はいる）
特に20代～30代の医師は経験を積むという意味もこめて。
うちの医局は40代後半までに、赴任という形で転勤ライフが終了します（例外はいる）
大学病院組か、その他の公立病院組に分かれます。
赴任した人は、その公立病院の幹部になっていって、地域を支えながら、今度は派遣されてくる後輩を育てるわけです。
その後は、まったりした病院の院長になったり、まあ色々です。
大学医局からの派遣が担うこと
- 地域医療を支える、人口に応じた医師の配置
- 様々な病院で経験を積ませ、医師を育てる
などなど。ですね。
ただし、今は範囲を狭めて集約して、
医師の少ない病院があちこちにある、よりも、
医師がたくさんいる病院を少し、って流れになってます。
確かに、権力持ちすぎて
収賄だらけになるのはよくない。
昔、医師の人事権、という社会の基盤をかさにきて
甘い蜜をすった人が沢山いたんでしょう。
でも、全否定もできないのは、私が田舎者だからかもしれません。
医局がなくなったら無医村・町がもっと増えますよ。
夜間救急やる病院も、減る。
まあ、こんな風に言えるのは
私が所属する医局が、比較的良い所だからかもしれません。
教授を筆頭に
「みんなで協力して休もう」「帰れるときは帰る」ですし
風通しもまずまず良い。
育ててくれるし、守ってくれます。
まあ、教授と話すときは、なに言われんだろう～って思いますが、それはどこの会社でもそうでしょうよ。
医局のイメージといえば、これが一番なのかも。とても面白い作品なのは同意。
でも、これは現代の話ではありません。
医局制度はあるけど、以前より弱い
大学病院の医局には、それなりに多くの医師が所属しています。
理由は色々。
- 田舎なので入局した方が、働きやすい。（逆に入局しないと、その地域の総合病院で「〇〇科」をやりづらい。）
- 研究教育組織であり、医師としてきちんと育ててもらえる。
- 人脈が作れる。
- 研究ができる。
- 海外留学ができる（行かされる…？）
- なんとなく。
それなりに人数が集まるので、
大学病院＋関連病院の人事権をもつ、ということができます。
ですが、以前ほどの絶対権力はありません。
今現在は医局に属していない医師も、結構いるからです。
医局に関係なく、病院に直接雇用され、勤務してるいる方々です。
Dr.Xは医局に属さない＝フリーランスって言ってましたが、
……うううん？？？
医局に属さない人は結構いるし、開業医もそうだし。うーん…。
続きます。
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