決め台詞が無茶苦茶ださい ファンタジーすぎるDr.X④
シリーズ記事になります。
ドラマDr.Xツッコミを軸に、医療について書いていきます。
ファンタジーすぎるDr.Xシリーズ
つっこみどころ
- 日本じゃない
- 病気の概念がおかしい(特に癌)
- 手術シーンが適当すぎる(手術室前の段階でアウト)
- 決め台詞が無茶苦茶ださい(「失敗しないので」の方じゃない)
- ”フリーランス軍団”、遊びすぎ。
- 医局軍団も暇すぎ。無能すぎ。
- 悪の権力組織ww( ^ω^)・・・
- 手術一つで大騒ぎしすぎ
- 病院一つの人事で一喜一憂しすぎ
- 医局に属してない医師は今現在結構いる。フリーランス????
え、もしかしてそれ決め台詞!?
「失敗しないので」の方じゃありません。
「余計なものを傷つけずに、悪い所を取れて、その後も手術後のトラブルなく退院できる」って意味なんでしょう。これは、決め台詞としては成立していると思います。
まあ、「失敗」がなかろうと、
大門さんがやってるのは、ただ自分の器用さをひけらかしているだけなので
手術ではなく、「傷害」ですけど。
これは②癌という病 に詳しく書いてます。
何が衝撃的にダサいかって言うと、
麻酔科の城之内先生(キャスト内田有紀)の台詞です。
とーこ「え?今の?今の決め台詞なの??え?今の格好いいの?」
夫 「この世界では格好いいんだよ。受け入れてあげなよ」
とーこ「言わないよー。ださいよー。つらいよー(悶」
夫は
Dr.Xを「おかしい所しかなくて、クセになる」と、私のいない所で結構見ていたようです。
「大門辞めさせたい一派を応援したくなっちゃうんだよねー」とニヤニヤしてました。
で、結局どの台詞かっていうと、これです。
「血圧XXのXX、脈拍XXでサイナス」(どや顔)
言わないよぉおおおお
でも、フリーランス麻酔科医城之内さん、手術前や、手術終了後に言ってましたね。
とても大事なバイタルサイン
vital signs バイタルサイン 生きている兆候って意味です。
これらを測って、患者さんの状態を把握し、治療の指標の一つとします。
代表的なのは、血圧、脈拍数、呼吸数、体温です。
(医学生は、他のもちゃんと把握してくださいね)
この数値によって、命の危険が迫っているか、判断できることがあります。
「高血圧が怖い、血圧が怖い」って言ってるCMありますが
血圧が0ってお亡くなりになってますからね?
私たち、上の血圧50とか聞いたら焦りますからね?
(血圧は「上の血圧=収縮期血圧」「下の血圧=拡張期血圧」があります)
高血圧が長年続く(=水道管の水圧が高すぎて水道管が悪くなる・壊れる)と、確かに病気は色々起こりますけど、血圧0よりは生きてる証拠です。
じゃあ、城之内がわざわざ言ってるの、別にいいじゃん、と思うかもしれません。
いや、おかしいです。
手術前後にバイタルサインを言う麻酔科医はまずいません。
必要のない情報
言ってるシーンをよく思い出してください。
手術まだやってませんよね?
もしくは、手術、終わってますよね?
手術中に限って言えば、
外科医は手術から目が離せないので、数値を教えてもらうことも、あります。
バイタルサインが異常を示している時に。
手術の前後なら、外科医だってどこを見たって自由です。
自分でバイタルサインのモニター見ればいいんです。
見ればわかること、わざわざ言うの?
しかもめっちゃ正常なのに……。
そして、さらに違和感を増すのがサイナス。
sinus サイナス
これ、洞調律って意味です。
洞調律=心臓が正しいリズムで打っています。
って意味です。
正常なんです。いたって正常なんです。
つまり、わざわざ言いません。
「血圧正常、脈拍正常、心臓のリズム正常です(どや顔)」
モニター見ればわかりますよ。はい。
手術終わってますからね。はい。
正常なリズムですね。ええ。モニター音聞けばわかりますよ。
( ^ω^)・・・うん
「安倍晋三は、日本人です。男です。生きてます」的な。知っとるがな(2018年4月現在)
必要のない情報を、わざわざ言っているんですよ。
毎回、実際の手術現場でやらないことを放送されると、かなり違和感あります。
純粋に、格好悪すぎました。
あれを決め台詞にするのは無理があったんじゃないでしょうか。
なじみの薄い単語をそれっぽく並べると格好いいのではないか、という安直さが酷い。
必要なことを言うのが医療現場
確かに、出血しても、色んな手術操作を加えても、バイタルサインを保つのが麻酔科医の仕事の一つです。(すごいですよ本当)
なので、手術の進み具合とか、バイタルについて外科医と術中に会話することはあります。
でも手術後にわざわざ言わんです。聞いたことないです。
せいぜい「安定してます」ぐらいか。
実際に言うとしたら、手術中に
「血圧下がってます」
「不整脈出てます」
とかでしょうか。
逆に外科医から
「これからXX操作するので血圧変動するかもしれません」
「出血してます」
「今、止めました」
とお伝えすることもあります。
正常なときは問題がないので、互いに特にコメントなし。
何か起こった時、起こりそうな時こそ、会話をします。
必要なことを、簡潔に。これ基本です。
前回の
でも、手術の無駄が多くて格好悪いと書いた気がします。
一貫してそういうドラマなのかもしれません。
余談ですが
手術中に限らず、命に関わるようなバイタルサインを見つけたら
どんな状況でも、医療者は
誰かに、協力を求めようとその状況を発信します。
一人では助けられないからです。
あの世にわたりそうになった人を、こちら側に引き戻すには、人手が必要なんです。
という時点で孤高の外科医という概念は、終了してしまうんですけども。
まあ、まあ、キャラクターとして格好いいですもんね。
ファンタジーすぎるDr.Xシリーズ